<Header> <Title> Old Japanese Tale </Title> <File> jmn10 </File> <Participants> <Speaker> <ShortName> woman </ShortName> </Speaker> </Participants> <Date> 24/02/2010 </Date> <Place> Shizuoka </Place> <Situation> informal monologue </Situation> <Topic> Old Japanese tale </Topic> <Source> C-ORAL-JAPON </Source> <Class Type1="informal" Type2="private" Type3="monologue" /> <Length> 11’ 18’’ </Length> <Characters> </Characters> <Acoustic_quality Type="B" /> <Transcriber> C. Kimura </Transcriber> <Revisor> K. Matsui </Revisor> <Comments> </Comments> </Header>
1 0-6.652 SSA: 昔 {%alt: むか -> し}昔 {%alt: むか -> し}な / あったとよ ///
2 6.652-24.555 SSA: それはそれはなあ / 困り果てる親子でな -> / 無精者の息子がおってな -> / 何 {%alt: なん ->} にもせんとよ ///
3 24.555-33.835 SSA: お父さんもお母さんも {%alt: おどうさんもおがあさんも} な -> / そりゃ -> 困り果てとったとよ ///
4 33.835-47.292 SSA: ところがな -> / 流行り病 {%act: はやりやまい} が村にあってな -> / お父さんもお母さんも {%alt: おどうさんもおがあさんも} / 死んでしもうた {%alt: しもった} とよ ///
5 47.292-60.037 SSA: あとに残された息子はな -> / みんな知ってる通りな / 無精者だよ ///
6 60.037-80.051 SSA: してな -> / 息子は何も {%alt: な -> んも} せん無精者やで / 腹が減って / 腹が減って / 困り果ててな -> // あんな息子でもな -> / 考えたとよ ///
7 80.051-92.33 SSA: "村中 / 呼ばれに行って / もらい歩いたら / 腹減らんですむわいな" って / 考えたとよ ///
8 92.33-110.263 SSA: してな / "今日はあの家 / 今日はあの家" / と / 周って歩くうちにな -> / 一年が / あ -> っという間に過ぎたとよ ///
9 110.263-122.16 SSA: ところがだ / そんなにな -> / 人様の子に / あげれるほどみんな余裕はないわいな ///
10 122.16-127.48 SSA: 二度目はみ -> んな断ったとさ ///
11 127.48-139.78 SSA: したらば / 無精者の息子はな -> / 腹が減って / 腹が減って / もうどうにもならんくなったとよ ///
12 139.78-158.272 SSA: したらば / あの無精者がよ // 何を考えたかと XXX {%act: 思うと} / "あ / 苦しい時の神頼みがあるわい" と言うてな -> / あの無精者はな / 村の鎮守様へ行ったと ///
13 158.272-163.309 SSA: そこでな / 一生懸命拝んだとよ ///
14 163.309-170.104 SSA: "神様 // 俺は腹が減って / 腹が減ってもう死にそうだわい ///
15 170.104-171.95 SSA: 助けてくろう ///
16 171.95-173.595 SSA: 助けてくんろう ///
17 173.595-178.812 SSA: なあ / こんなとき頼むのが神様じゃって / みんな言うとったわい ///
18 178.812-181.349 SSA: 神様ならわかるじゃろう ///
19 181.349-184.17 SSA: ど -> うか助けてくんろう ///
20 184.17-200.069 SSA: 俺はもう死にそうに腹が減ってなあ" と / 拝んでいるうちに / 息子の目の前に / 白い髭をはやした / 白い服装をした / 神様が現れてきたとよ ///
21 200.069-202.728 SSA: 神様がおっしゃった ///
22 202.728-208.234 SSA: "おお / お前さんか / わしに頼みがあるというのは" ///
23 208.234-210.789 SSA: "へえ / そうでごぜえます ///
24 210.789-213.13 SSA: 腹が減って死にそうでございます" ///
25 213.13-214.684 SSA: "そうか ///
26 214.684-215.788 SSA: よ -> し ///
27 215.788-224.277 SSA: お前は / 絹の着物を着て / いっぱいおいしいものを食べさせて {%alt: 食べさして} くれる家を探しておると言うたなあ" ///
28 224.277-227.216 SSA: "はい // 左様でございます" ///
29 227.216-229.177 SSA: "そうか ///
30 229.177-233.661 SSA: じゃあそこにな / 神社の下に川が流れているだろう" ///
31 233.661-235.696 SSA: "はい // 流れております" ///
32 235.696-241.343 SSA: "あの川をな / どんどんどんどんとさかのぼっていくがよい ///
33 241.343-244.837 SSA: するとな / 箸が一本流れてくる ///
34 244.837-251.715 SSA: その箸が流れてくるということはだな / &かみす [/] 人が住んでいるということじゃ ///
35 251.715-252.611 SSA: よいか ///
36 252.611-260.313 SSA: 忘れんように / していけよ" / と / 言って / 白い髭の神様はすうっと {%act: onomatopoeia} 消えていきました ///
37 260.313-264.672 SSA: そこで / 無精者の息子は / "あ / この川だ ///
38 264.672-265.65 SSA: よしきた ///
39 265.65-275.403 SSA: これをのぼって行くと / 俺の望み通りにしてくれる家があるんじゃな" / と / もう声までが元気になりまして / 川をさかのぼって行ったんです ///
40 275.403-281.218 SSA: しばらく行くと # 神様の言ったとおり箸が一本流れてきました ///
41 281.218-283.501 SSA: "あ / これだこれだ ///
42 283.501-285.07 SSA: 神様が言ったとおりだ ///
43 285.07-295.25 SSA: 誰か住んでいるんじゃ" / と言って / もう無我夢中で / 川をさかのぼっていきますと / 大 -> きな大きな館の前へたどり着きました ///
44 295.25-297.574 SSA: そして / "ごめんくだせえ ///
45 297.574-299.153 SSA: ごめんくだせえ" ///
46 299.153-306.165 SSA: 中から出てきたのは / それはそれは身なりのきちんとした / ご夫婦でした ///
47 306.165-308.445 SSA: "お前様か?
48 308.445-312.907 SSA: わしのところへ雇ってほしいっていう人は" ///
49 312.907-321.336 SSA: "いや / 雇ってもらうんじゃなくって / 絹の着物を着せてもらって / 美味しいものをたくさん食べさせて {%alt: 食べさして} もらうように 神様にお願いしたんです" ///
50 321.336-322.984 SSA: "あ / 左様か ///
51 322.984-325.095 SSA: 絹の着物を着てのう ///
52 325.095-328.211 SSA: ほいで美味しい物をたくさん食べさせて {%alt: 食べさして} もらいたい ///
53 328.211-329.479 SSA: よくわかりました ///
54 329.479-334.6 SSA: よ -> うございます" と [/] と言って / 石のお膳が / そこへ出てまいりました ///
55 334.6-341.868 SSA: 若者は / 腹が減って / 腹が減って / 死にそうなので / あっという間に平らげてしまいました ///
56 341.868-345.911 SSA: すると家主が / "まだおあがりになりますか" ///
57 345.911-348.763 SSA: "はい / もっとください" / って ///
58 348.763-354.284 SSA: 三人前も / 五人前も / ぺろりと {%act: onomatopoeia} 食べてしまいました ///
59 354.284-362.686 SSA: そして / "お前様はこれを着なさい" と言って / ふわふわ {%act: onomatopoeia} の絹の着物を / 出してくださいました ///
60 362.686-371.257 SSA: そしてその着物を着て / "この部屋でお休みなさい" と言われましたので / その部屋へ通されまして / 一晩寝ました ///
61 371.257-383.456 SSA: 目が覚めると / 驚いたことにその部屋は / どんなに見回しても / 窓 / 戸も / 一つもありません ///
62 383.456-388 SSA: 全部 / コンクリ -> の / 塀ばっかりでした ///
63 388-407.969 SSA: さあ若者はとんでもないところへ来てしまったと思って / もう大変なところへ来てしまったと思ってもう / &お [/] 恐る恐る / 小 -> さくなってもう / 困って / おるところへ / 隣の部屋から聞こえてきた &こ [/] 言葉が / "どうじゃなあ ///
64 407.969-411.493 SSA: そろそろこいつを絞るかなあ ///
65 411.493-425.759 SSA: もう一ヶ月も / うまいものを食っちゃ -> 寝 -> / 食っちゃ -> 寝 -> してるから / 相当いい油が絞れると思うがなあ" と言う声が聞こえてきました ///
66 425.759-429.099 SSA: さあ / 困ったのはこの若者です ///
67 429.099-431.339 SSA: "油を絞られたら死んでしまう ///
68 431.339-433.061 SSA: わしゃあまんだ死にたかない ///
69 433.061-449.855 SSA: 死にたかない" / って / もう力いっぱい 自分のありとあらゆる力を振り絞って / なんとか / コンクリの壁をやぶり [/] やぶって / もと来た川へ下りることができました ///
70 449.855-457.057 SSA: ところが誰か追っかけてくるじゃないかと / もう恐ろしくて恐ろしくて後ろなんか振り向く暇なんかありません ///
71 457.057-466.118 SSA: すたこらすたこらすたこらすたこら {%act: onomatopoeia} と / もう滑っては転び滑っては起き / て / とうとう / もと来た神社のところへたどり着きました ///
72 466.118-470.754 SSA: そこで / 若者は / "ああ良かった ///
73 470.754-488.216 SSA: 命拾いした -> " って // 目が覚めましたならば / 神社の床下 {%act: とこした} の / 芝生の上に寝ておりましたというお話でございました ///